きょうだい児(障害のある子の兄弟姉妹)
親の注意はどうしても、困りごとの大きい子に向きます。もう一人の子は「手のかからない子」として、我慢を重ねることがあります。国のガイドラインは、きょうだいを家族支援の対象として明記しました。これは親の気持ちの問題ではなく、制度が想定している支援です。
かんたんにいうと
- 障害のある子の兄弟姉妹を「きょうだい児」といいます。
- きょうだいにも、支援があります。
- 家族の世話が多すぎるときは、相談できる窓口があります。
「きょうだい児」ということば
障害や病気のある子の兄弟姉妹を指して、「きょうだい児」ということばが使われています。法律上の用語ではなく、通称です。国のガイドラインでは「きょうだい」と書かれています。
このページは、発達障害のある子のきょうだいについて、国の文書に書かれていることを中心にまとめています。きょうだいの気持ちは一人ひとり違うので、「きょうだい児はこう感じる」という決めつけは書きません。
国のガイドラインに書かれていること
こども家庭庁の児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)は、療育の場(児童発達支援)が行う「家族支援」について、次のように書いています。
「家族支援」は、対象を保護者に限った支援ではなく、きょうだいや祖父母等への支援も含まれる。特にきょうだいは、心的負担等から精神的な問題を抱える場合も少なくないため、例えば、きょうだい向けのイベントを開催する等の対応を行っていくことも必要である。
支援の具体例としては、次のものが挙げられています。
- きょうだい同士の交流の機会の提供や、きょうだいに対する相談援助
- 家族のレスパイト(休息)の時間の確保や、就労等による預かりニーズに対応するための延長支援
- 心理的カウンセリングの実施
- 保護者同士の交流の機会の提供
- ペアレント・トレーニングの実施
ヤングケアラーとの関係
きょうだいの世話や見守りが日常的に重なると、「ヤングケアラー」の状態になることがあります。こども家庭庁は、ヤングケアラーをこう定義しています。
家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者
令和6年(2024年)6月に子ども・若者育成支援推進法が改正され、国や自治体が支援に努めるべき対象として、ヤングケアラーが法律に明記されました。 こども家庭庁の特設サイトは、責任や負担の重さにより、友だち関係や学校生活(勉強やクラブ活動等)に影響が出ることがある、と説明しています。
児童発達支援ガイドラインも、事業所を利用する子のきょうだいがヤングケアラーと疑われる場合は、こども家庭センターをはじめとした関係機関と連携する、としています。
家庭で確かめられること
きょうだいの気持ちに正解はありません。ここでは、ガイドラインや相談窓口の存在をもとに、家庭側から確かめられることだけを挙げます。
- 通っている療育の場に、きょうだい向けの取り組みがあるか聞く——きょうだい向けのイベント、交流の機会、相談援助は、ガイドラインが例示している支援です。無ければ、他の事業所や地域の情報を持っていないか尋ねてみてください
- きょうだい自身が相談できる場所を、きょうだいに伝えておく——学校の先生、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーは、ヤングケアラーの相談先として国が案内している窓口です。親を通さずに話せる場所があることを、本人が知っているかどうかで違います
- 親の休息は、制度が想定している——レスパイトの時間の確保や預かりは、ガイドラインが家族支援の例として挙げています。親が休むことは、きょうだいと向き合う時間を作ることにもつながります
相談先
| 相談先 | どんなとき |
|---|---|
| 通っている児童発達支援・放課後等デイサービス | きょうだい向けの取り組みや、家族支援について聞きたいとき |
| 学校(担任・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー) | きょうだい本人が学校生活で困っているとき。ヤングケアラーの相談先としても案内されている |
| 市区町村のこども家庭センター | 家族の世話の負担が大きいとき。ヤングケアラーの相談窓口 |
| 発達障害者支援センター | 家族としての相談。診断の有無にかかわらず相談できる |
| こども家庭庁 ヤングケアラー特設サイト↗ | 都道府県・市区町村の窓口や支援団体を探すとき |
この先に読むページ
- 家族のこと——家族支援の位置づけ
- 受給者証と福祉サービス——療育の場の利用と、家族支援の入口
- 二次障害——本人側に起きる、あとからの困りごと