学びの場の選び方(通級・特別支援学級・特別支援学校)
4つの選択肢があり、それぞれ「在籍する場所」が違います。就学先は一度決めたら変えられないものではありません。仕組みを知っておくと、相談の場で聞くべきことが見えてきます。
かんたんにいうと
- 学びの場所には、4つのえらび方があります。
- あとから変えることもできます。
- 相談する相手は、市区町村の教育委員会です。
4つの選択肢
いちばん大事な違いは、どこに「在籍」するかです。
| 在籍する場所 | 指導を受ける形 | |
|---|---|---|
| 通常の学級 | 通常の学級 | みんなと同じ授業。必要に応じて合理的配慮を受ける |
| 通級による指導 | 通常の学級 | ふだんは通常の学級。一部の時間だけ別の教室で個別の指導 |
| 特別支援学級 | 特別支援学級 | 小・中学校の中に置かれた少人数の学級 |
| 特別支援学校 | 特別支援学校 | 障害に応じた専門的な教育課程 |
それぞれの中身
通常の学級+合理的配慮
在籍も授業もみんなと同じで、困りごとに対して個別の調整を受ける形です。
- 座席の位置を変える、板書を写真で残すことを認める
- テストの時間を延ばす、問題文を読み上げる
- タブレットやキーボードでの入力を認める
- 感覚のつらさに応じてイヤーマフの使用を認める
診断書がなくても相談できます。 2024年4月からは民間事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられており、学校(公立)はそれ以前から義務です。
通級による指導
通常の学級に在籍しながら、週に数時間、別の教室で個別または少人数の指導を受けます。
- 対象は、通常の学級での学習におおむね参加できる子ども
- 自校に通級指導教室がない場合、他校へ通う(他校通級)こともあります
- コミュニケーション、読み書き、感情のコントロールなど、その子の課題に合わせた指導を行います
特別支援学級
小学校・中学校の中に置かれる少人数の学級です。
- 学級の人数は少なく設定されています
- 教科によっては通常の学級で一緒に学ぶ(交流及び共同学習)こともあります
- 個別の教育支援計画・個別の指導計画が作られます
特別支援学校
障害のある子どものための学校です。専門性の高い教員と設備があり、自立活動という独自の領域が教育課程に含まれます。
小学部・中学部・高等部があり、高等部には職業教育に力を入れた課程を持つ学校もあります。
就学相談の進み方
窓口は市区町村の教育委員会です。おおむね次の流れになります。
- 相談の申し込み(多くの自治体で年長の春〜夏ごろ受付開始)
- 面談・行動観察・検査
- 教育支援委員会などでの検討
- 就学先についての話し合い
- 決定・就学通知
保護者の意見はどう扱われるか
2013年の学校教育法施行令の改正で、就学先を決める仕組みが変わりました。それまでは障害の程度によって就学先が原則的に決まる形でしたが、現在は本人・保護者の意見を可能な限り尊重したうえで、市区町村教育委員会が総合的に判断して決定するという考え方になっています。
つまり、話し合いの場で意見を言うことには意味があります。 「決まったことを聞きに行く場」ではありません。
相談の場で聞いておきたいこと
- その学級・学校の1日の流れと、実際の人数
- 交流及び共同学習はどのくらいあるか
- 途中で変えることになった場合の手続き
- 個別の教育支援計画は誰が、いつ作るのか
- 進学時(小→中、中→高)にどうつながるのか
- 見学はできるか(必ず見学してください)
途中で変えられるのか
変えられます。 在籍する場を変更する手続きがあり、実際に通常の学級と特別支援学級のあいだで移る子どもはいます。
ただし、年度の途中よりも年度の変わり目のほうが手続きが進めやすいのが実情です。「合わない」と感じたら、早めに担任・特別支援教育コーディネーター・教育委員会に相談してください。
学校とのやりとりで役に立つもの
- 個別の教育支援計画/個別の指導計画 — 支援の内容を文書で残すもの。作ってもらえるか聞いてみてください
- サポートブック — 本人の特性、苦手な場面、有効だった対応をまとめた保護者作成の資料。進級・進学のたびに渡すと引き継ぎが楽になります
- 特別支援教育コーディネーター — 各学校に指名されている校内の窓口
制度の細部は自治体で異なります。最終的なご確認は、必ずお住まいの教育委員会でお願いします。