働き方と就労の支援
働き方には複数の入口があり、それぞれ利点と難しさがあります。どれが良いかではなく、いまの自分にどれが合うかで選びます。相談は診断がなくてもできます。
かんたんにいうと
- 働き方には、いくつかの選び方があります。
- 相談できる場所が各都道府県にあります。
- 診断がなくても相談できる窓口もあります。
2つの雇用の枠
一般雇用
通常の求人に応募する働き方です。障害者手帳は不要です。
障害者雇用
障害者手帳を持つ人を対象とした枠です。障害者雇用促進法にもとづき、一定規模以上の事業主には法定雇用率が課されています。
| 時期 | 民間企業の法定雇用率 | 対象となる事業主 |
|---|---|---|
| 2024年4月〜 | 2.5% | 常用労働者40.0人以上 |
| 2026年7月〜 | 2.7% | 常用労働者37.5人以上 |
この引き上げにより、対象となる企業が広がり、採用の枠自体は増えている状況です。
オープンとクローズ
特性を職場に伝えるかどうかの選び方です。どちらが正解ということはありません。
| オープン(開示する) | クローズ(開示しない) | |
|---|---|---|
| 配慮 | 受けやすい | 求めにくい |
| 職種の選択肢 | 限られることがある | 広い |
| 給与水準 | 低めになる場合がある | 一般水準 |
| 対人関係 | 説明の手間はあるが誤解が減る | 誤解されたまま評価されうる |
| 疲労 | 隠す負荷がない | 隠し続ける負荷がかかる |
選ぶときの考え方
- 配慮がないと働き続けられないなら、オープンを検討する価値があります
- 配慮なしでやれているなら、無理に開示する必要はありません
- 一部だけ伝えるという選択もあります(診断名は言わず「音に敏感なので席を配慮してほしい」など)
相談・支援の窓口
診断や手帳がなくても相談できる窓口があります。まず電話をかけるところから始めてください。
ハローワークの障害者専門窓口
全国のハローワークに、障害のある人の就職相談を担当する窓口があります。専門の担当者(就職支援ナビゲーターなど)が付き、求人紹介から定着まで関わります。障害者雇用の求人はここに集まります。
地域障害者職業センター
各都道府県に設置されている専門機関です(所在地一覧↗)。
- 職業評価 — 何が得意で、どんな環境が合うかを検査と作業で確認します
- 職業準備支援 — 働くための準備をする通所プログラム
- ジョブコーチ(職場適応援助者) — 職場に来て、本人と会社の双方を支援します
障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
仕事と生活の両方を一体で相談できる窓口です。生活リズム、金銭管理、家族関係なども含めて相談できます。全国に設置されています。
就労移行支援
一般就労を目指す人が、訓練を受けながら就職活動をする福祉サービスです。
- 原則2年間利用できます
- 就職後の定着支援もあります
- 利用には受給者証が必要です(申請の流れと同じ仕組み)
- 世帯所得に応じた利用者負担があります(多くの利用者は負担なしとされています)
事業所によって内容の方針が大きく異なります。必ず複数見学してください。 見るべきは、就職実績の数字より「どんな職種にどのくらい定着しているか」です。
就労継続支援(A型・B型)
一般就労が難しい場合に、働く場そのものを提供するサービスです。A型は雇用契約を結ぶ形、B型は雇用契約によらない形です。
発達障害者支援センター
診断の有無を問わず相談できます。就労だけでなく生活全般の相談ができ、地域の他の窓口にもつないでくれます。全国の一覧。
相談に行くときに持っていくもの
- 困っている場面を3つ(できるだけ具体的に)
- これまでの職歴と、辞めた理由
- 診断があれば診断名と主治医の情報
- 手帳があれば手帳
うまく話せるか不安なときは、紙に書いて渡してかまいません。 それも1つの合理的配慮です。