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注意欠如・多動症(ADHD)とは

不注意(集中の向け方)と、多動性・衝動性(動きやブレーキのかかり方)に特徴があります。「やる気がない」「性格の問題」と誤解されやすい特性です。

かんたんにいうと

  • 集中を向ける先が、自分で選びにくいことがあります。
  • 思いついたことを、すぐ行動に移すことがあります。
  • やる気や性格の問題ではありません。

診断の基準はどうなっているか

DSM-5-TR では、ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)は不注意多動性・衝動性という2つの領域、それぞれ9項目で定義されています。

不注意の例(9項目より)

多動性・衝動性の例(9項目より)

診断に必要な条件

診断は、項目に当てはまるかどうかだけでは決まりません。次の条件がそろって初めて検討されます。

  1. 17歳未満は各領域6項目以上、17歳以上は5項目以上が、6か月以上続いている
  2. いくつかの症状が12歳になる前からあった
  3. 2つ以上の状況(家庭・学校・職場・友人関係など)で見られる
  4. 生活・学業・仕事の質を明らかに損なっている
  5. 他の精神疾患ではうまく説明できない

3つのタイプ

どちらの領域が目立つかで、3つに分けられます。

タイプ特徴気づかれやすさ
混合型不注意と多動・衝動の両方が目立つ気づかれやすい
不注意優勢型忘れ物・ぼんやり・段取りの苦手さが中心見落とされやすい
多動・衝動優勢型動きの多さ、待てなさが中心気づかれやすい

年齢によるあらわれ方の違い

幼児期

学齢期

思春期

成人期

どれくらいの人がいるのか

DSM-5では、ADHDは子どもの約5%、成人の約2.5%にみられると記されています。調査方法や国によって数字には幅があります。

支援の考え方

ADHDでは、環境の調整と、必要に応じた薬の両方が選択肢になります。どちらか一方ではなく、環境調整が土台という順番が基本です。

環境を整える

薬について

ADHDには、日本国内で承認された治療薬があります。症状を和らげ、環境調整や本人の工夫が届きやすくするためのもので、ADHDそのものを消すものではありません。

処方には診断と医師の判断が必要で、効き方や副作用は人によって異なります。開始・変更・中止は必ず主治医と相談してください。本サイトでは具体的な薬剤名や用量の案内は行いません。

二次的な困りごとを防ぐ

ADHDで最も避けたいのは、叱られ続けた経験の積み重ねによる自信の低下です。不注意による失敗は本人の努力不足に見えやすく、家庭でも学校でも注意される回数が多くなりがちです。

その結果として、不安、気分の落ち込み、不登校、対人関係の回避といった二次的な困りごとが生じることがあります。これは特性そのものより深刻になり得ます。

環境を整えて失敗の回数そのものを減らすことは、単に便利にするためではなく、この二次的な困りごとを防ぐための支援でもあります。

診断までの流れは診断・検査の流れを、ASDとの重なりについては併存とグレーゾーンをご覧ください。

出典

最終更新 執筆 sin(ADHDとASDの兄弟を育てています。)